雪国 川端康成
雪国 川端康成を読了
最初に読んだのは、おそらく30年ほど前の中学生の頃か
雪国という主人公島村にとっての異国における物語
昔読んだときは作中の時間の流れもよく分かっていなかった
登場人物たちには書かれていない時間での生活が存在しているはずだが、その部分はバッサリとカットされている
あくまでの島村が雪国に滞在している時間しか書かれていない
その書かれていない時間の中でなにがあったのかをいろいろと想像してしまう
例えば駒子と葉子の関係、互いに対する気持ち…など
始まりのシーン、夜の底の白さとラストの火事による紅
その対比が美しい
雪国の逗留も島村にとっては、東京からの逃避ではなく現実の一部になりだしていた
終わりの予感
おそらくこれ以降、島村がこの雪国に訪れることはないのだろう
それゆえにこの物語はここで終わる